ダーウィンが来た!生きもの新伝説 - 剣をかざしたスーパーフィッシュ!」: "鼻先に長い剣をもつ巨大魚、カジキ。数千匹もの大集団で小魚を使い込み、自慢の剣を振り回して獲物を仕留める。剣をかざしたスーパーフィッシュ、カジキを世界の海に追う。"カジキの「吻」の使用方法など、勉強になった。この番組のいいところは、動物を呼ぶときに「○○たち」という間違った日本語を使わないことだ。「非NHK的」という意味でいい番組。他のNHKの動物番組では「○○(動物名)たち」のオンパレードで辟易させられる。「たち」という複数表現語尾は人間を数えるときに限られていることをまるで無視しているのである。こういうことではこどもたちの日本語は乱れるばかり。
同じNHKでも番組によってこの種の言語表現が異なる。散人はこれを番組の「エコロ汚染度」によると見ている。「エコロ」がのさばる番組では例外なく「動物たち」という日本語文法に則さない表現が使われている。また「仲間」という「ムラ社会言語」も多用される。こうして日本語はどんどん乱れてゆく。
他にも、日本のことを「ニッポン」と発音する番組は、たいてい「ウヨ番組」。これもいやだ。「ニッポン、ニッポン」と連発する番組はだいたい信用しない方がいい(「クローズアップ現代」がその典型)。「ダーウィンが来た」では、ちゃんと「ニホン」と発音しているので、内容に信憑性がある。
蛇足)「カジキ」のことを「カジキマグロ」というのは、ニッポンの漁業関係者が「カジキ」を少しでも高く売ろうとして勝手に決めた呼称で、実際はマグロとは何の関係もないお魚。食い物の生産者は実にあくどいのだ。他にも中国製のウナギを国産と偽って高く売るとかいろいろあくどい手口が目立つが(実際は中国産のウナギの方が安全で旨かったりするのだが)、この手の詐欺が通用する根源的な原因は消費者のアホな「ブランド信仰」にある。中身のない「ブランド」をナイーブに信じて高いお金を払って騙されているようでは、この長期化する世界大恐慌下、消費者は生き残れない。もっと賢くなろう。
5 件のコメント:
それは理系番組と文系番組の違いでは?
Obamaが就任演説で"These are the indicators of crisis, subject to data and statistics."といったことにわたしはまじで感動しました。
Aspirin さん、おひさ。最近アスピリン錠のお世話になることが多いです(肩こりにとても効きます)。
> subject to data and statistics.
データとか統計は、普通三ヶ月ほど遅れるので、あんまり信用できないです。それに、恐慌とは経済学的なものじゃなく、社会学的な現象。みんながどう感じるかが重要なのです。情報から遮断された大衆が多く存在した中世とは違い、現代社会の方がよほど危険がいっぱい。
>文系番組
要は、自分の政治的主張を、旨いこと科学的な装いでカモフラージュして言い立てる番組のことですね。NHKは特にひどい。民放も、民間企業が宣伝費を抑え、結果として全農や農水省がスポンサーとしての存在感を強めたことで最近どんどんひどくなってきてます。
おかげでニッポンは、既得権集団だけが儲けて、全体としては落ち目まっしぐら。いやですね〜。
まあデータだけなら遅れていいんですけど、統計という場合予測ですから。あたらない統計はともかく、遅れた統計を出す人はまあ能力がないんでしょう。経済の実務にあたっていた方のご意見ですから傾聴すべきとは思いますが、統計も昔のようにP値やトレンドだけを出していた時代よりははるかに、偉い人の意見より信頼できるようになってきていると思います、つまり「このことについてはこれくらいわからない」「このことはこれくらい確からしいと思っている」「それはこれこれの根拠によっている」ということをいずれも定量化しようとしている点について。。。統計学的な思考は情報の民主化だと思っています。民主主義が独裁制に比べて優れた政策をかならずしもとらないがきわめて劣った政策をとらないのと同じように、統計もとても優れた着眼点を持つ天才的な人に及びませんがまったくの思い付きよりもはるかに妥当な結論を出すというような。まあそういう世界的トレンドに、日本の政治やマスコミはまったく追いついてないんでしょう。中国にはもう追い越されているのかもしれません。
少し熱くなりました。最近そんなことばっかりしてます、もちろん医学に関連してですが。。。
おっしゃる通り、理系では統計はとても大切だと思います。自然はあんまり変化しないから。むしろ数字を軽視する風潮が困りもんです。
でも社会学系(特に経済系)では、どうなんでしょうね。どんな精緻なモデルでも、所詮過去のデータの回帰分析の結果なので今までの延長線にしか過ぎない。だから相場で大損するノーベル賞クラスの数学者が現れる。人間の言う動物は、理屈通りには動かないという意味で、実に困ったもんです。
確かにそうですね。難しいな。回帰分析が過去をうまく説明するが未来を説明できないのはoverfittingということですね。医学でも気をつけなければいけません、手元のサンプルはうまく説明するがこれから行う診療に応用できないというのは意味がありません。MCMCを利用するとわりとoverfittingから脱却できる、かなと思いますが・・・人間社会というあまりに複雑な構造の適切なサンプラーとはどういうものか、見当もつきませんね。まあいずれにせよどんな理論も現実に効用を証明できなければ意味がありません。オバマのアメリカがどうなるか、興味深く見てみたいです。
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